小説の茨城  茨城をテーマまたは舞台にした小説集です。小説
 の舞台は、霊峰筑波、徳川光圀公の本拠であった
 水戸、東国の武神を祭った大社を持つ鹿嶋など。
 『 西部バーテンダー物語@ 』      北 川  吏
 
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大勢の、馬に乗った男達が町に入ってきた。それをバーの前で揺り椅子に揺られて見ていた男がワイアットシャープの所へ行った。
「無法者らしい男達が町に入ってきましたぜ。きっとバーへ行くはずだ。ひとつバーに来て、調べてみてくださいよ」
「そうか、わかった」
男達が、「キャッホー、キャッホーと奇声を発しながらピストルを空に撃つている。馬の手綱を木に巻きつけ、バーに入って行った。
「おいオヤジ、おれたちにウィスキーだ」
バーテンダーは男に届くようウィスキーのグラスをカウンターに滑らせた。
そこへワイアットシャープが「おい、お前たち、酒を飲むのならガンベルトをはずせ」
「なに、ガンベルトを外せだと」
「そうだ、俺はワイアットシャープ。この町を守る保安官だ」
「あんたの名前は知っている。わかったよ。おいみんな、ガンベルトをこのテーブルにおけ」
「みな、静かに飲んだがよかろう」
「俺はカードやりてえんだ。だれか相手はいねえか」と頭目らしい男。
「それなら二階にいるポンパドール婦人がいいですぜ」違うグループの一人が言う。すぐ夫人はおりてきた。「わたしとゲームやりたいんですって」しばらくして、
「私の勝ちですわね」
負けた男はブーツに手をやった。隠し持っていた小型のピストルディリンジャーを取り出しテーブルの下から夫人を撃とうとした。
それを見ていたバーテンダーはカウンターの下に隠してあったライフルでそのディリンジャーをうちおとした。
「危なかったですよ」バーテンダー。
「よくやってくれた。これは俺の仕事だった。おい、お前保安官事務所の監獄までこい」と連れて行ってしまった。

 
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