小説の茨城  茨城をテーマまたは舞台にした小説集です。小説
 の舞台は、霊峰筑波、徳川光圀公の本拠であった
 水戸、東国の武神を祭った大社を持つ鹿嶋など。
「鹿嶋の花見」「ロボット宮本武蔵」「ウイルスバスターズ」
          <全3本>     若 山  京 太 郎
 
 鹿 嶋 の 花 見
鹿嶋の花見
ここは鹿嶋市の鹿嶋城址の公園。
 底抜けに明るい青空。
 薄桃色の白っぽい花びらをくっきりと描き出している。
 少し風が出た。
 花のぼんぼりを揺らめかせて通り過ぎる。

 桜の木下には死体が埋めてあるといったのは誰だろう。戦国時代、戦で命を落とした武士もい
ただろう。鹿行地区は、戦国時代も平穏無事だったというが、殿の逆鱗に触れ切腹した武士もい
ただろう。
 花見にお重はつきものだ。昔の少女マンガのあんみつ姫が劇団から弁当をもらって食べる。あ
まりに掛け声などがうるさいので劇団も辟易し,弁当を食べさせ口を封じたのだった。
 だんごを売っている露店もあった。カップルは、間が持てず団子を買って食べるのだろう。
 ロボット宮本武蔵
若山今日太郎(ゲスト)ロボット宮本武蔵
北海道の大講堂では宮本武蔵生存その可否を問うというテーマでシンポジウムが開かれていた。
45〜6才になるチャレンジャーという博士は宮本武蔵は生きているという立場をとって論陣を
張っていた。「えー 皆さん 宮本武蔵は佐々木小次郎と巌流島で決闘しましたね あの巌流島
は舟島という島ですが、佐々木小次郎がツバメ返しという流派を編み出し厳流と呼ばれていたこ
とからあの島をそれにちなんで巌流島と呼ぶようになったのです 今村健之助と吉本新太郎とい
う二人の立会人がこの試合を見届けますが彼らは21世紀に送った時間管理局員なのです。そして
どちらか勝った方を21世紀に連れて帰る予定だったのです しかし佐々木小次郎はこう言いまし

『細川藩の藩士に兵法を教える佐々木家の小次郎、私を宮本武蔵を使って抹殺しようという計画
を練っているらしいのです。だからもしも私が宮本武蔵に勝っても私は許そうとはしません。あ
らゆる手段を講じて抹殺するでしょう』そう小次郎は言った。」宮本武蔵は壇ノ浦から舟で舟島
へと向かっていた 海の沖はなえでいる そして舟頭も熟練した漕ぎ手であってみるみる舟島に
近づいてきた
『旦那 本当に勝算はおありで』
『いやー 分からぬ』
『否 でも厳流の太刀と比べれば空恐ろしい』
『じゃ どうするおつもりで』
『それを今俺も考えておる』
『例えばこの櫂を木刀にするとか』
『成る程それは良い』
では言って目を閉じて懐から小刀を出すと小刀で櫂を削り始めた。
『なかなか良く出来上がった』
と言って宮本武蔵は海中から飛び上がってくる飛び魚をその木刀で切ってみた スパッと飛び魚
は半分に切れた
『うん これは良い』
と言っているそこへ舟頭は櫂を握りしめて宮本武蔵の頭を目掛けて櫂の刀を振り下ろした 宮本
武蔵は
『う〜ん』
と言ってそのまま倒れ込んでしまった この舟頭はロボットだった。そして胸のボタンを自分で
押すと目の前の人間にそっくりの表情と体に生まれ変わることが出来る 宮本武蔵が出来上がっ


そして舟を漕ぐ力にも異常な馬力があるので速く加速し まるでモーターボートのような勢いで
舟島へと向かって行った 佐々木小次郎はその舟を見て
『遅いぞ武蔵 怖じ気づいたか』
と声を張り上げたロボットの宮本武蔵は舟を飛び降りて波打ち際に駆け出して行った
『こい 武蔵!』
と言って小次郎は長剣の鞘を抜き払って真剣を構えた。宮本武蔵は太陽を背に渚を走った。佐々
木小次郎も砂煙を上げて波間を駆け出していった お互いに詰め寄って勝負すると見せかけるや
宮本武蔵は空中に飛び上がって空中から櫂を振り下ろした 何しろロボットの馬力である並みの
男の数十倍数百倍ある力で振り下ろすのだからたまらない もの凄い早さで佐々木小次郎の頭蓋
骨を砕いた 佐々木小次郎は何ら防御する手だてのないまま一瞬のうちに倒されてしまった
『おう 見事 宮本武蔵』
今村健之助と吉本新太郎はそう言って駆け寄って行った 
『しかし私は本当の宮本武蔵ではない貴方達と同じ時間局から送られてきたロボットの宮本武蔵
です今居るのは吉本殿貴方方は21世紀の江戸時代に送られてきた時間を守のが仕事の時間、歴史
を曲げてあらぬトラブルを防止するという時間局員の任務に就く時間局員であること知っていま
す。だから私はこうしてロボットとになって貴方達と同じように もしも間違って宮本武蔵が負
けたらしょうがないと思ってこうしてやって来て戦ったのです』
と言って胸のボタンを押した すると金属製のロボットに戻っていった
『宮本武蔵殿は此処でのびて居ますよ』
と言って舟を指した。今村は
『おお これこそ宮本武蔵!』
吉本は
『じゃ 彼を空間ワープカプセルを使って北海道の海底都市へでも送り込んでおきましょう』
と言って、掘っ建て小屋から
『エイ!』
と二人で連れて行ってガラスで出来たカプセル状の入れ物に宮本武蔵を入れて北海道の苫小牧に
送ることを決めた」
と博士は話を終えた。

ですから、苫小牧へ行けば宮本武蔵の氷漬けがあるはずです。そしてその氷を解かせば今でも宮
本武蔵は復活してこの21世紀の世界に日本に生き返ることが出来ます
みんなはここで
「ははは」
と言ってさも馬鹿馬鹿しいというようにして相手にしなかった。その後チャレンジャー博士は歯
ぎしりをして壇上を降りた。そしてコートを脱ぐとロビーで煙草を吸った。興奮した気分を和ら
げるための一服でもあった。そこへ中年の如何にも金持ちの2世というようなひげを蓄えた痩せ
こけた男がやって来て
「チャレンジャー博士貴方の説は素晴らしい 私が金を出しましょう だから博士はその苫小牧
の海底都市に行って頂きたい」
「えっ 貴方がお金を出す?」
「そうです 必要なものは全部買ってください」
「え〜 取り敢えずタイムマシンに一台必要です」
「じゃそのお金はらいますよ」
「そうですか」
よ言って博士は頬をバラ色に輝かせた。

数日してその男はチャレンジャー博士の研究室にやって来ると
「どうですか タイムマシンは手に入りましたか?」
「はい ここに有ります」
と言って布を取るとピカピカのカプセル用のタイムマシンが現れた。これは空間ワープカプセル
と違って空間を超えるだけではなくて時間つまり歴史をひとまたぎすることが出来る。しかし見
た目はカプセル状で普通のカプセルと大差なかった
「じゃ行って来ます」
と言ってチャレンジャー博士はボタンを押してハンドルを切った。星が沢山見えて帯となって流
れ去って行った。そして暫くすると苫小牧の海底にある海底都市へと到着していた。そこは未来
の都市という感じで、動く道路が高速で走っていた。道路は動くのだが、あらゆる方向に行ける
ように重なって違う方向に乗り換えることが出来た
「ほう 見事なもんだなこれは 便利だ」
と言ってチャレンジャー博士はデパートの方へと向かって動かされて行ったそしてデパートの前
の歩道に乗り換えるとそのまま黄昏に吸い込まれて行った。ところがその帰りに道路歩道に乗る
と、一杯飲みたくなって飲み屋へ向かって居酒屋の並んでいる建物の方の歩道に乗ることにした。
何が原因か分からないが道路は減茶苦茶な動きをしてケーキ屋の方へと博士を連れ去って行った
扉を開けると
「ここは 居酒屋だな アルコールを一杯くれ」
と言おうとするとデコレーションケーキが飛んできて博士の顔をべちゃっとその生クリームで汚
してし
まった。博士はビックリした。
「なんて事するんだいお前たち」
「あ− すいません今ちょっとビデオを撮っていたもんで これ4月4日のエーブリルフールに
上映して馬鹿馬鹿しさを笑おうとしているんですよ あっ 貴方はお客様ちょっとはやすぎまし
 たね」
後ろからその目的の人物が来るのでした
「馬鹿にしやがって」
そう言って博士は道路に乗った。そして今度こそは飲み屋へと連れて行くことにした。それより
も又お
菓子が食べたくなったので洋菓子屋へと向かうことにして、ようやく動く歩道に乗った。店に入
ると
「クッキーをくれと言った」
「何を 九鬼を?」
「クッキー」
「なにお 九鬼をくれ?九寃というホステスの名はここにはねえぜ馬鹿にしやがって」
と言ってチャレンジャー博士を蹴飛ばして叩きだした。
「ああ ここは居酒屋か 俺は洋菓子を買いに行ったんだった クッキーと九寃、そうか俺はい
ないホステスの名前を呼んでしまったんだなあ」そう思った。この海底都市には中世風の城があ
った。
「おや こんな処に城がある何だ何だ入ってみよう」

そう言って一歩中へ入るとガラスの壁が全面に張られていてガラスのシャンデリアが見事な光輝
かしい
輝きを辺り一面に光らせそのピカピカに磨かれた廊下を歩いて行<事が出来た。そうすると執務
室みた
いな所があって壁一面に宗教画みたいな見事な写実主義的な羊飼いの少女やに似た絵が神々しく
しかし厳格な気分にされるようにしつらえてあった。さらにチャレンジャー博士はその部屋に来
ると
「宮本武蔵の秘密はこの部屋に有りそうだ」
と言って机や本棚をあさり始めた
「あら、何をなさっているんですか貴方は?」          .
と言って美しい女性が入ってきた.彼女はケニフアーと育ってこの城の持ち主だった。
「あら お客様なら丁度良かったわ私達は今ティーを飲んでいるところよ良かったら貴方も」
と言ってチャレンジャー博士にティーを勧めた。

そのティーを飲むとチャレンジャー学士はコックリ
コックリと居眠りを姶めてしまった。睡眠薬が入っていたのだろう。そしてチャレンジャー博士
は暫く
すると海底の景色が透き通って見えるガラ張りの場所へとでた。魚が天井を泳いで行<のが分か
る。
空に海の底があるのだから何だか変な気持ちだ。そして側では炎が燃えている青白い炎がまばゆ
い明る
さで燃えている。
「博士お目覚めですか?ここはね原子力で太陽が燃やされている一番真下のところです。このよ
うに
炎の周りを風が回って侵略者を防いでいます」
「しかしあのノストラダムスが初世紀の10巻72番には次の様な詩がありますよ」
“1999年7月の月 恐怖の大王が天より降りたつアンゴルモアの大王を蘇らせその前後が幸運に
助けられ……。”
「そう言ってますね あのノストラダムスの言う紀元21世紀がなんですがノストラダムスの世界
と私達の世界は時差があります つまり地上の世界では1999年がこちらでは2003年なんです 
4年の差違いがあります だから今年の9月に何らかの悪い事故が発生して壊滅的な打撃を受け
るということは、はっきりしています」                      
「日にちも今日じやないですか」
「そうです今日です おそら<天から隕石が落ちて来てこのガラスの壁が破れて水が溢れ込んで
くる そして弘達の都市は水中に敢えなく沈んでしまう」
「えっ そんな」
「だから貴方にはこの宮本武蔵の氷の像を持って行って頂きたい」
「ああ そう言うことなら分かりました」
「ぜひお願いします」
「ああ 分かりました」
そう言っていた時に もうこの太陽は輝くことが出来ないかも知れない。
「私がこの太陽に活力をあげます」
そう言って彼女は全裸になった
「私の皮膚はウランの成分と似ているのです この太陽は原紙力で動く ウランは黄色い粉末状
 の物ですが 私の体を粉々に砕くことによって ウランとして原料が供給され原子力は又輝き
 を戻し始めます」
そう言って 彼女は太陽に吸い込まれて行った。見えないパイプをたどってその太陽から原子力
の設備へと吸い込まれていくのであった。太陽は又輝きを取り戻した。
「そういうことならそれで この宮本武蔵の氷の像を」
と言って定まった氷の像を今度は空間ワ一プカプセルへとその氷の像と一緒にそこ飲み込み海底
都市を脱出した。丁度その時隕石が天から降って来て海中でじゅっと溶けガラスの壁を破って
その都市は海中の藻屑と化していった。その隕石というのはもの凄い数で、火が焼かれ、まるで
火山の溶岩のような層を重ねたようなものを一固まりに固めたような隕石でもの凄いものだった。
ヤレンジャー博士はやっと脱出したがエンジンがおかしく、それは空間ワープカプセルがやはり
隕石に当たって動かなくなつてしまった。そうしたところが大洗へと向かうフェリーがやって来
て私達は助けられた。途中で氷が溶けて宮本武蔵は復活していた。”蜂の武蔵は死んだのさ
お日様に焼かれて死んだのさ 蜂の武蔵は死んだのさお日様に焼かれて死んだのさ”という歌が
掛かっていた。
「え 宮本武蔵? え 武蔵 蜂 死んだ? 一体俺は誰なんだ 何をしていたんだ」
宮本武蔵が現代に蘇ったが過去の記憶を忘れ去っていた。しかしその歌を聴くと
「そうだ 俺は佐々木小次郎と決闘しようとしていた」
「そうですよ」            
とチャレンジャー博士が横合いから口を扶むように言った。
「貴方は佐々木小次郎と試合するはずだった。しかし代わりにロボットがして佐々木小次郎は仕
 留められた そう言うことなんです」
「え 佐々木小次郎が仕留められた 俺が戦う相手は佐々木小次郎だ」
と言っている時放送で
『ホウジロ鮫が出ます。皆さん海から外へ上がって下さい』
と言うアナウンスが流れて来た。
「何 ホオジロザメ? ホオジロというのは小次郎のことじないのか?よし俺が」
と言って宮本武蔵は舟を漕いで沖へ乗り出して行った。宮本武蔵は小次郎と決闘するということ
だけが頭にあってその決闘がもう終わったものだということを信じられないでいた。そして彼の
態度は粗暴そのものだった。花火をしている子供たちの親子連れを
「うるさいから止めろ」
と言って怒鳴り散らしたし、音楽を掛けて踊っていた男女を睨み付け
「うるさいから止めろ、止めぬのなら刀のさぴにしてくれるぞ」
と言って脅したりしたのだった。全くちょっとクレイジーだったな、決闘のことだけしか頭にな
かった
のだった。そしてそのホウジロザメを刀のさびとして切ってきたということを帰ってきて彼によ
って告げられた。

 ウィルスバスターズ
パソコンのウイルスにかかっていないパソコンはないというほど、ウイルスが跋扈している。
 マリーの勉強部屋。マリーは高校1年生だが、模擬試験とか進学のための勉強とか、非常に忙
しい。毎日毎夜、寝るのは12時ごろだった。そしてコーヒーでも飲もうと思って、ドアのノブを
開けようとした。すると開かない。体当たりしても駄目だ。もちろん鍵は掛けていなかった。
「何よ、これ。ママ、助けて」、マリーはママを呼んだ。しばらくすると、窓のガラスをたたく
音がする。ママだった。「このガラス戸を開けて、このテラスのそばのヘリを通って、非常階段
でおりるのよ」
 マリーは、非常階段のところの手すりを握った。するとグニャンという音と感触がする。ウイ
ルスだった。青いミミズのような、頭も顔もない、しっぽもないような奇妙な生き物だった。こ
れがコンピュータウイルスというものか。こんなものが入られたら、コンピュータなんて手も足
も出ないわね。「さあさあ、早くおりるのよ」と、ママが言う。「はい」。
 すると道路に出た。あっちからもこっちからも人がやってきた。ここは公園に近い。それだけ
に人が集まる緊急避難場でもあった。
「私の家のコンピュータウイルスがにょろにょろとパソコンの中から出てきて、部屋中ウイルス
でいっぱいなのですよ」、中年の男が言った。「私もそうなんです。ウイルスが家から道路へに
ょろにょろはい出して、道路がウイルスでいっぱいですよ、この先は」。「ああ、あれは何です
かな」道の真ん中に大蛇がにょろにょろやってきた。「ああ、あれはウイルスとは違うんじゃな
いか」、男が言う。「いえいえ、あれはウイルスだよ。化け物化したウイルスに違いない。きっ
とそうだ。きっと異星からやってきたウイルスの仲間に違いない。地球をウイルスでいっぱいに
しようという魂胆なのだな、あいつら。それだったらウイルスバスターを使って、一網打尽にし
てやろうじゃないか。きっとそういう会社があるよ」。
 携帯から、ある男はウイルスバスターズを呼んだ。ウイルスバスターズはヘリコプターでやっ
てきた。「いや、この街はすごいですね、ウイルスで。まあ、任せておいてください」と言って、
背中にパソコンを背負って、吸い寄せ機を取り付けたコードを、吸い取り機に取り付けて、ウイ
ルスをパソコンの中に閉じ込めていった。その作業はずっと続けられたが、1週間ほどたってウ
イルスはキレイになくなった。

 
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